最近話題の資格として挙げられるのが認知症介助士です。
今後、高齢化社会になるにつれて、認知症の方が増えていくことも予想されており、介護現場で働いていなくとも、さまざまな職場で高齢者の方や、認知症の方の対応を求められる場面が増えていくでしょう。
この記事では、「実際の介護現場で役に立つのか?」「どんな人が、認知症介助士の資格取得を目指したらよいのか」を詳しく解説していますので、気になる方はぜひ最後まで見てくださいね。
認知症介助士とは?
認知症介助士とは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が取り組んでいる資格となります。
認知症介助士の目的としては、認知症を正しく理解し、さまざまな事例から認知症の方への適切な対応方法を知る、という点にあります。
今後、高齢化社会になっていくにつれ、認知症の方の人数も増えていくことになります。
認知症介助士は、介護現場で働く人にとっての資格ではなく、今後、高齢者の方とかかわる全ての人にとって、役に立つ資格となるでしょう。
資格取得で得られる知識とスキル
学習をする機関によってカリキュラムはさまざまですが、おおまかに以下の内容を学習することが可能です。
- 高齢社会の現状把握と認知症の基礎知識
- 認知症の主な種類と症状
- 認知症の人の心理状態
- 身近な事例から認知症の人の困りごとや応対を考えるグループワーク
- 実際に認知症ケアをしている方からの体験談紹介
- 認知症の人への接客接遇
- 認知症の人の家族からのアドバイス(動画)
- 関連する法律や制度に関する紹介
認知症に対する理解や、日本の高齢社会についての基礎知識、認知症の方に対する対応方法など幅広い知識を学習していきます。
認知症の方への接し方については、一定のセオリーがありますので、それを知っているか知っていないかでも大きなアドバンテージとなるでしょう。
認知症介助士の資格を取るべき人とは?
介護現場で働いている
認知症対応のグループホームや、有料老人ホームなどの介護施設で働いている方には、おすすめできます。
認知症対応の専門の資格は数も少ないです。
もし自分の職場で、認知症の方が入所された際に、認知症の方の対応に長けた人がいれば、施設の運営側としてはすごく助かりますよね。
高齢者の方と関わる機会が多いからこそ、介護現場の方は取得を目指しても良いでしょう。
身近に認知症の人がいる
自分の家族や、親戚、ご近所の方に、認知症の方がいる場合も、取得をおすすめできます。
認知症の方の対応については正解がありませんが、基本的な対応を押さえておくことで、認知症の悪化を防ぐこともできます。
認知症を予防したい人
認知症介助士の資格を取得することで、自分自身の認知症を予防することもできます。
認知症に関する様々なことを学べるので、今すぐに認知症の方や高齢者の方にかかわる機会がなかったとしても、自分自身のために勉強することができます。
認知症介助士の取得方法・勉強時間
認知症介助士の勉強方法は、独学で勉強して試験を受けるパターンと、セミナーを受講して取得するパターンがあります。
試験内容・合格率
1問1点の30点満点・21点以上合格の試験内容となっております。
地域によっては、1ヶ月に1回試験が行われております。
合格率は比較的高く、9割以上とされております。
受験資格
認知症介助士の試験は、だれでも受験可能で、特別な要件は必要ありません。
受験費用
セミナー受講で勉強していく場合、テキストやセミナー代として19,800円(消費税10%込)が必要となります。
また、試験を受ける際には、別途3,300円の受験費が必要です。
勉強時間
勉強時間は、勉強方法にもよりますが、独学で受験しようと考えている場合は、目安として90時間を考えておくとよいでしょう。
1日1時間で、3ヶ月間の勉強期間になりますので、仕事をしながらの取得も難しくありませんね。
認知症介助士が活躍できる職場
認知症介助士の資格が最も生かされる職場は、介護施設です。
日常的に、認知症の方と接する機会が多い業界ですので、認知症介助士などの、認知症の対応に長けた方の需要は高いです。
また、別業界からの就職や、転職の際にも書類選考の時点で、知識があると認められるのは、大きなアドバンテージです。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護度が3~5の方が身体介護や生活支援を受けて居住する施設となり、終身利用できる介護施設です。
1人のご入居者と長く関われ、チームで動くことの多い特養は、無資格の方でも募集がある施設が多いですし、教育面もしっかりしているところが多いです。
一般的に、特養は体力がいる職場と言われていますので、がっつり介護を求めている方は選択肢に入れてみましょう。
特養の1日のスケジュール
05:00 | 起床、離床介助、整容 |
06:00 | 朝食準備 |
07:00 | 朝食、食事介助、口腔ケア |
08:00 | 記録や片付け |
09:00 | 朝礼、業務の引継ぎ |
10:00 | 入浴介助、排泄介助 |
11:00 | リネン類の交換、昼食準備 |
12:00 | 昼食、食事介助、口腔ケア |
~ | |
14:00 | お昼休憩等 |
15:00 | 書類作成や記録、仕事の処理 |
16:00 | レクリエーションなど |
18:00 | 業務の引継ぎ、夕食準備 |
19:00 | 夕食、食事介助、口腔ケア |
20:00 | おむつ交換、臥床介助、服薬介助 |
21:00 | 就寝準備、消灯 |
~ | 見回りなど |
05:00 | 起床、離床介助、整容 |
有料老人ホーム
有料老人ホームとは入居者様に対して、食事や介護の提供、清掃・入浴などの生活介助、健康管理など、いずれかのサービスを提供している施設のことを言います。
高齢者やご入居者が暮らしやすいように配慮された住まいとして考えていただくのが良いですね。
有料老人ホームには、日常生活において介護を必要としている方を受け入れる「介護付き有料老人ホーム」と、自立して生活できる方を受け入れている「住宅型有料老人ホーム」など、同じ有料老人ホームでもタイプが分かれます。
住宅型有料老人ホームで勤務する場合は、介護資格が必要になるので注意しましょう。
有料老人ホームは、民間企業が運営しているところがほとんどですので、企業独自の教育体制や福利厚生なども充実しています。
働きながら資格を取得したい、入社後の研修をしっかりやってから介護現場で働きたいなど、教育面重視の方は選択肢に入れておくことをおすすめいたします。
有料老人ホームの1日のスケジュール
06:00 | 起床、離床介助、整容、朝食準備 |
07:00 | 朝食、食事介助、口腔ケア、服薬など |
08:00 | 記録や片付け |
09:00 | 入浴介助、排泄介助 |
10:00 | リネン類の交換 |
11:00 | 機能訓練の対応や補助、昼食準備 |
12:00 | 昼食、食事介助 |
13:00 | 口腔ケア、服薬など |
~ | レクリエーション、イベント、リハビリ、書類作成や記録など ※入居者様のフリータイムとなっている施設もあります。 |
17:00 | 夕食準備 |
18:00 | 夕食、食事介助 |
~ | |
20:00 | おむつ交換、臥床介助、服薬介助 |
21:00 | 就寝準備、消灯 |
グループホーム
グループホームの仕事内容は、入居者さんの共同生活のサポートや、認知症の進行緩和や自立支援が主な内容になります。
料理や掃除、洗濯などの身の回りのお世話から、必要であれば入浴、排せつ、食事介助などのサポートを行っていきます。
施設によっても異なりますが、要介護度が低く、医療行為やリハビリなどを必要としないことが多いです。
そのため、看護師が常駐しているケースは少なく、地域の訪問看護のサービスを利用するケースがほとんどです。
グループホームの1日のスケジュール
各施設によりスケジュールはいろいろですが、下記が1日の仕事の基本スケジュールとなります。
07:00 | 起床、朝食準備 |
08:00 | 朝食、口腔ケア、服薬 |
09:00 | 朝礼、業務の引継ぎ |
10:00 | 体操、掃除洗濯など |
11:00 | レクリエーション、昼食準備 |
12:00 | 昼食、食事介助 |
13:00 | 口腔ケア |
14:00 | 入浴介助 |
15:00 | おやつ、散歩 |
~ | |
17:00 | 夕食準備 |
18:00 | 業務の引継ぎ、夕食 |
19:00 | 口腔ケア、更衣介助 |
20:00 | 就寝準備、排泄介助など |
21:00 | 就寝 |
認知症介助士を取得すると年収・給料は上がる?
一般的に、認知症介助士を取得したことによって、明確に給料が上がる仕組みを採用している法人や、介護施設は少ないです。
しかし、目に見えない信頼度などの面においては、優位に働くことは間違いありません。
また、資格を持っていることで、勉強熱心な方とイメージしてもらえますので、リーダー的なポジションを任される場面も多くなるでしょう。
もし、介護未経験で初めての資格取得を考えているならば、初任者研修を取得するのがおすすめです。
資格難易度の低さ、目に見えた給料アップ、就職・転職に有利と、メリットが大きいですので、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
そのほか、ほかの介護関係の資格が何があるか気になる!という方は、介護資格の種類をまとめた、こちらの記事がおすすめです。
需要が高まる認知症介助士をめざそう
高齢化社会になるにつれて、認知症の方の対応は、今以上に身近で必要な知識になっていくことは間違いないでしょう。
介護現場で働く方はもちろんのこと、そうでない方も認知症介助士の資格を生かせる場面は多くなりますので、興味のある方は目指してみませんか?
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