介護職の夜勤業務は「つらい」「しんどい」というイメージは強いでしょう。
勤務時間が長かったり、生活が不規則になってしまったり…。
しかし、夜勤業務をすることで、キャリアアップや給料アップ、プライベートの両立などもしやすくなり、得られるメリットも大きいのです。
そこで今回は、介護職の夜勤の実態について、リアルな解説をしていきます!
介護士の夜勤の実態・特徴は?
夜勤時間には2交代制と3交代制がある
介護施設の夜勤体制は、2交代制と3交代制があります。
「2019年介護施設夜勤実態調査」によると、介護施設のうち85.5%が、2交代制を導入しております。
2交代制の業務時間例
- 日勤:09:00~18:00
- 夜勤:16:00~翌10:00
3交代制の業務時間例
- 早番:07:00~16:00
- 遅番:14:00~22:00
- 夜勤:22:00~翌07:00
2交代制の場合、昼と夜に分けた勤務時間になります。
そのため、夜勤時間は休憩を除いて「16時間」になることが多いです。
開始と終了の1時間は、日勤担当と夜勤担当の業務時間がかぶりますので、そのタイミングで申し送りや業務の引継ぎをします。
3交代制の場合は、1日を3つの時間に分けて対応します。
そのため、3交代制の場合は、夜勤の時間が休憩を除いて「8時間」になることが多いです。
夜勤回数は1ヶ月に4~5回
介護職の正社員の夜勤回数は1ヶ月に4~5回が平均です。
正社員で週5日働く場合(2交代制)は、日勤3回、夜勤1回のシフトになります。
ただし、夜勤回数はあくまで平均ですので、施設によっては、月に8回も夜勤に入るときがあったと、介護職からの実際の声もあります。
夜勤の人員配置は入居人数や施設形態によって変わる
夜勤の人員配置は、介護施設の入居人数は施設形態によって異なります。
例えば、特別養護老人ホームであれば、入居人数によって人員配置の基準が決められておりますが、一般的に2~3人で実施するパターンが多いでしょう。
ちなみに、グループホームなどは1ユニット(9名)ごとに1名以上という最低限の人数が決められていたりもします。
大規模の施設には大人数で、小規模の施設には少人数で、というように入居人数によって夜勤人数を変えている施設がほとんどです。
夜勤の休憩で仮眠はできる?
夜勤の時間が実働16時間ある場合は、2時間の休憩時間が設けられておりますので、休憩時間に仮眠をすることはできます。
ただし、施設によっては休憩室を設けていないところもありますので、転職をするのであれば、事前にチェックをしておくのがオススメです。
介護士の夜勤の仕事内容は何がある?
介護士の夜勤の1日のスケジュール
まずは、夜勤の働き方を時系列で押さえておきましょう。
就業場所、職場によりスケジュールはいろいろですが、介護関連施設では、下記が1日の夜勤の仕事の基本スケジュールとなります。
16:00 | 出勤、業務の引継ぎ、状況を見てサポート業務 |
17:00 | 夕食準備、食事介助、服薬介助 |
18:00 | 口腔ケア、入居者さんの自由時間 |
~ | |
20:00 | 就寝準備、トイレ介助、おむつ交換 |
~ | |
22:00 | 消灯 |
23:00 | 見回り、トイレ誘導、おむつ交換 |
24:00 | 記録業務 |
01:00 | 休憩、軽食、仮眠 |
~ | |
03:00 | 見回り、トイレ誘導、おむつ交換 |
~ | |
05:00 | 起床、着替え、車いすへの移乗、トイレ誘導 |
06:00 | 朝食準備、バイタル測定 |
07:00 | 朝食、食事介助、服薬介助 |
08:00 | 口腔ケア、下膳 |
09:00 | 介護記録の作成、日勤帯のスタッフへ引継ぎ |
10:00 | 退勤 |
臥床介助と離床介助
臥床(がしょう)とは、ベッドに寝ることなどを意味します。
一方、離床(りしょう)とは、寝ている状態から起きることを意味します。
つまり、就寝時や起床時に、トイレ誘導や入浴などの際に、ご入居者を起こしたり寝かしたりする介助のことです。
ご入居者の就寝や起床をサポートする時間帯の勤務が中心になりますので、臥床介助、離床介助、就寝準備などの業務は対応する場面が増えます。
食事介助、排泄介助、服薬介助
日勤帯の介護士と同じように、食事介助、排泄介助、服薬介助などの業務は対応する必要があります。
また、夜の時間帯の排泄介助、トイレ介助については、日勤帯のように他のサポートを得ながらの介助が難しいため、1人でスムーズに対応できるようにしておかなければいけません。
レクリエーションの対応はない
夜勤担当の介護士は、日中の業務はありませんので、レクリエーションの対応をする場面はありません。
レクリエーションが苦手という方には、夜勤業務はおすすめの働き方かもしれませんね。
見回り、巡回
夜勤の時間帯に常駐している介護士の数は日勤帯よりも少ないため、目が行き届かない可能性も高くなります。
そのため、ご入居者が就寝した後、定期的に施設内を巡回、見回りする必要があります。
記録、業務の引継ぎ(申し送り)
ご入居者の就寝後などに、その日に起こったご入居者の対応を記録します。
この記録が、次の朝から出勤する介護士さんの申し送り事項になりますので、とても重要です。
早朝の時間は忙しくバタバタするため、ご入居者の就寝後の少しほっと一息つける時間に、記録業務を済ませてしまう介護士さんが多いようです。
夜勤時の救急対応がある
夜勤の際に、入居者さんの体調が急に悪化した場合は、救急対応が必要になります。
また、体調の重大な悪化だけでなく、転倒時にケガをしてしまったなどの、軽いものまで救急対応には含まれます。
その際、現場で主として動くのは勤務中の介護士ですので、緊急時でも冷静に対処していかなければなりません。
もちろん、医療的な処置の部分は看護師の役割になりますが、対処の初動の部分は介護士の担う範囲が大きいので、職場の研修やマニュアルをしっかり覚えておきましょう。
介護士が夜勤をするメリット
夜勤手当がもらえるので給料が上がる
夜勤をすることの1番のメリットは、夜勤手当によって給料を上げることができる点です。
夜勤手当の金額は、施設によって様々ですが、平均額は1回6,000円ほどです。
中には、1夜勤で15,000円の手当がつくような施設もまれにありますので、その施設の求人内容を細かくチェックしておきましょう。
派遣社員の場合は、夜勤帯(22-翌5時)の時給が基本時給×1.25倍になるなど、正社員、パート、派遣問わず、夜勤の恩恵を受けられます。
正社員への転職の幅も広がり、選べる求人が増える
介護の正社員の条件として、夜勤に入れないというだけで、そもそも面接に進めないことは本当に多いです。
そのため、夜勤ができるという点は、正社員の必須条件と言っても過言ではありません。
また、夜勤のみのシフトで働く「夜勤専従」の施設需要はかなり高いです。
自分のペースで仕事がしやすい
日中の時間帯のシフトよりも、夜勤帯のシフト人数のほうが、やはり少なくなります。
そのため、大人数で介護業務にあたる方法よりも、少人数で仕事をこなす事が好きな方にとっては、夜勤の業務時間は適していると言えます。
ただし、介護施設によっては、1人体制の夜勤になるケースもありますので、責任も大きくなります。
そこが許容できるのであれば、夜勤は働きやすい環境ですね。
連休気分を味わえる
夕方に勤務開始で、翌日の朝には勤務が終わります。
夜勤明けの翌日は休みのシフトで組まれるケースが多く、プチ連休のような気分を味わえます。
しっかり体に休養を与える時間として確保するのもよし、家族や子供と過ごす時間にするのも良し、プライベートの時間確保もしやすいのが夜勤シフトです。
通勤の混雑時間を避けられる
コロナウイルスの影響もあり、公共交通機関の混雑時間を避けられるシフトとして、夜勤の働き方が注目を集めております。
シフトを変えるほかに、自宅近くの介護施設に転職をするというケースも一定数みられます。
介護士が夜勤をするデメリット
体調管理に気を付けないといけない
睡眠時間や生活リズムが不規則になることで、体調を崩しやすいというデメリットがあります。
介護職は体力仕事が中心になりますので、普段の食生活に気を遣う、休養をしっかりとるなど、自分なりに体調を崩さない工夫が必要です。
救急対応の必要性がある
夜勤勤務中の救急対応が不安だ、苦手だと考えている人にとっては大きなデメリットになるでしょう。
入居者さんに対して複雑な処置をするわけではなく、体調を崩された、悪化したという状況に冷静に対応して、医師や看護師の到着まで現場を仕切ることが必要になります。
実際に、自分が勤務中に救急対応が必要になったケースは、約3割ほどといわれておりますので、多くはない数字ですが注意しておきましょう。
夜勤が好きな人には「夜勤専従」という働き方もおすすめ
介護士と言えば、日勤と夜勤を含めたシフトで働くのが一般的ですが、夜勤のみで働く夜勤専従という働き方もあります。
夜勤専従で働くメリット・デメリット
夜勤専従で働くメリットとしては大きく3つです。
- 夜勤手当があるため同じ勤務時間でも給料が高くなる
- 夜勤のみなので生活リズムが一定になる
- プライベートに使える時間が増える
夜勤専従として働いている介護士さんに話を聞くと、この3つを上げる方が多いです。
逆にデメリットとしては下記などです。
- 昼夜逆転の生活になる
- 体調管理に常に気を付けておく必要がある
夜勤手当や深夜手当などで、少ない時間でたくさん稼げる反面、健康面の管理に気を遣っておかなければいけないという、メリット、デメリットがあります。
「体調を崩して長く働けなくなってしまった…」なんてことになれば、元も子もないですからね。
夜勤専従として働くなら「派遣」もあり
夜勤専属の正社員募集の求人は数が少ないため、パート、派遣社員として働く方がほとんどですが、派遣社員のほうが給料が高くなるケースが多く、働き方としては人気です。
私たちスタッフ満足は、大阪、京都、兵庫、奈良で老人ホームを約50施設運営している株式会社スーパー・コートのグループ会社として、介護、看護に特化した人材派遣と人材紹介を行っております。
夜勤専従でお仕事を探す場合はぜひご相談ください。
夜勤ありの求人を探す際に失敗しないポイント
夜勤を含んだ求人を探す際に、失敗ためのポイントをお伝えいたします。
- 夜勤の月平均の回数と、実際に夜勤に入る回数を確認する
- 夜勤手当の金額を加味して給料計算をする
- 仮眠室や休憩室があるかどうかを確認する
- 休憩時間や、残業時間の有無を確認しておく
体調面に関わることですので、夜勤の回数や休憩室の有無については、確認しておくようにしましょう。
休憩室で、仮眠ができるかどうかで、残りの勤務時間のパフォーマンスや、勤務後の疲れの蓄積にも影響していきます。
また、正社員やパート・アルバイトで働く際は、夜勤手当の正確な金額を確認しておきましょう。
派遣社員の場合は、上記の押さえておきたい項目は、専属のコーディネーターが情報を持っていますので、詳しく聞いておくことをおすすめします。
介護士の夜勤の役割を理解してスキルアップしよう!
介護職の夜勤は、人によっては体調面を崩しやすいため、「つらい」「しんどい」と感じてしまうでしょう。
ただし、夜勤業務をすることで得られるメリットは大きいため、これから介護職で長く活躍していきたいと考えているのであれば、ぜひ挑戦してみてください。
スタッフ満足の紹介
私たち スタッフ満足 は、大阪、京都、兵庫、奈良で老人ホームを約50施設運営している株式会社スーパー・コートのグループ会社として、介護、看護に特化した人材派遣と人材紹介を行っております。
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