デイサービスは施設ごとに特色があり、デイサービス独自の取り組みも多いため、自分に合った働き方を目指せる職場でもあります。
また、介護のお仕事未経験の方が初めて働く施設というケースも増えてきました。
デイサービスの介護スタッフにおいて、ほかの介護施設と比べたときの仕事内容や給料、やりがいなどに違いはあるのか、応募前に役立つ各ポイントを徹底解説していきます。
デイサービスとは?
デイサービスは、その名の通り、1日型や半日型で高齢者の方に介護サービスを提供しております。
送迎車で利用者さん宅へ送り迎えをし、デイサービスの施設内で入浴介助、食事介助、排泄介助の生活サポートはもちろん、レクリエーションなども行います。
基本的に泊りや住むことはせずに、介護サービスを提供し、その日のうちに利用者さんをご自宅へ送り届けます。
デイサービス利用者さんのご家族に代わって、日帰りで介護サービスを提供するイメージになります。
デイサービスで働く介護士の仕事内容
ご利用者の送迎業務
ご利用者様の自宅とデイサービス施設との間の移動を担当する業務です。
専用の車やバスを使用し、安全に施設まで運ぶことが主な仕事内容となります。
安全運転を心掛けることはもちろん、利用者の体調や気分をしっかりと確認しながら、丁寧なコミュニケーションをとることが必要です。
健康チェック(健康状態の管理)
利用者の体調や健康状態を確認するための業務で血圧測定や体温確認などの基本的な健康チェックを行います。
突然の体調不良などを早期に察知し、適切な対応をすることで、利用者の安全を守ります。
毎日のように通われているご利用者であれば、普段の様子や表情からも体調の変化を感じ取る感受性が求められます。
食事介助、食事補助
利用者が安全に食事を摂取できるよう、必要に応じて食事の取り分けや、嚥下のサポートなどを行います。
利用者の嚥下機能や好みをしっかり把握し、食事のスピードや方法を調整することで、誤嚥や事故を防ぐことが大切です。
入浴介助
利用者が安全かつ快適に入浴できるようサポートをします。
入浴介助には、浴室への誘導や、洗髪、体を洗う、湯船への移動支援、脱衣・着衣のサポートなどが含まれます。
入浴は日常生活の中でリラックスや清潔を保つための重要な時間ですが、一人での入浴は危険が伴うことも多いため、介助が必要となります。
利用者の体調や好みを確認しながら、優しく丁寧にサポート。滑りやすい場所での安全確保も必要です。
レクリエーションの企画と実行
利用者の楽しみやリハビリを提供するための活動を計画、実施します。
ゲームや手作り、体操などさまざまなプログラムがあります。
デイサービスでは心身の活性化を図るための活動が求められるので、レクリエーションを通じて、社交的な交流や運動機能の維持が図られます。
利用者の好みや体調、運動能力を考慮し、参加しやすいプログラムの選定や工夫が求められます。
デイサービスで働く介護士の1日の流れ
デイサービスによりスケジュールはいろいろですが、下記が1日の仕事の基本スケジュールとなります。
08:30 | 出勤、利用者さんのご自宅へお迎え |
09:00 | 施設到着、健康状態チェック |
10:00 | レクリエーション |
~ | 入浴介助、機能訓練など |
12:00 | 昼食(食事配膳・食事介助) 服薬介助、口腔ケア |
13:00 | 自由時間、休憩 |
14:00 | 体操 |
15:00 | おやつ |
16:00 | デイサービスでの様子を連絡帳に記録、ご自宅まで送迎 |
17:00 | ご自宅へ到着 事業所へ戻ってミーティングや後片付け |
デイサービスによって仕事内容が変わる?

デイサービスには、基本的に夜勤という働き方はなく、朝から夕方までの日勤の時間でサービス提供を行います。日中のお世話を介護スタッフが担うことで、ご家族の介護負担軽減につなげます。
また、デイサービスではレクリエーションも大事なサービスの1つです。
デイサービスの利用者さん同士の交流や、個々人の身体機能の向上の役目も担っております。
人と人との交流で、心も身体も健康になってもらうことを目的にしておりますので、レクリエーションの企画の工夫や、毎日実施するための数も重要になってきます。
大規模デイサービスの場合
1日の利用定員が26名以上のデイサービスをさします。
1日の利用者さんが多いため、レクリエーションも大規模なものになります。
また、終始にぎやかな雰囲気でコミュニケーションも活発になります。
一緒に働く介護スタッフとの連携や、レクリエーションの企画も大人数に合わせたものになりますので、通常よりも一工夫が必要です。
また、研修制度が充実している事業所が多いのが特徴です。
小規模デイサービスの場合
地域密着型のデイサービスで、1日の利用定員が18名以下のデイサービスをさします。
大規模サービスとは異なり、アットホームな雰囲気が特徴です。
デイサービスの利用者さん一人一人に向き合って介護サービスを行うことができます。
リハビリ特化型デイサービスの場合
文字通り、機能訓練指導員を配置したリハビリや機能訓練に特化したデイサービスです。利用者さんの利用時間は午前もしくは午後の半日になることが一般的です。
リハビリなどの介護サービスに特化しているため、入浴介助や食事介助などを行う機会がほとんどないのが特徴です。
リハビリや機能訓練に長けた経験があれば、身体的負担は少なく介護の仕事に携わることができます。
認知症対応型デイサービスの場合
認知症の方を対象にしたデイサービスで、1日の利用定員が12名以下の小規模になることが特徴です。
介護スタッフは、認知症の進行緩和を目的とした、生活サポートやレクリエーション、機能訓練などを行います。
認知症ケアへの対応ができるかどうかが第一に求められる職場でもあり、グループホームの仕事内容に近い傾向もあります。
認知症の方のケアに興味がある方は、合わせてグループホームの仕事内容の関連記事もチェックしてみましょう。
お泊りデイサービスの場合
デイサービスの利用者さんがそのまま宿泊可能な環境設備を整えたのが、お泊りデイサービスとなります。
このタイプのデイサービスであれば、夜勤として働くこともでき、中には夜勤専従という夜勤のみ働いている介護スタッフもおります。
夜勤時に担当する主な業務は、巡回や排泄介助、身体介助など、通常の夜勤業務と、特に変わりはありません。
デイサービスで、かつ夜勤で働きたい場合は、宿泊機能を備えたデイサービスなのかを事前に確認することが大切です。
デイサービスに必要な資格や経験はある?

初任者研修以上や運転免許が必要になることも
レクリエーションのプログラムを実施するのに特別な資格の取得は必要ありませんが、利用者さんの入浴補助など身体介護を行う際には、資格取得が必須となります。
介護資格は介護職員初任者研修(ヘルパー2級)以上があれば大丈夫です。
また、ご自宅と施設間の送迎が必要になりますので、普通自動車第一種運転免許が必須条件となっているところもございます。
送迎専門のドライバーさんがいる送迎者に同乗することもあるため、運転免許については必ず必要なものではございませんが、職場選びをする際には求人情報に注意し、面接等でも確認しましょう。
介護福祉士実務者研修よりも上位資格を持っていれば優遇
介護福祉士実務者研修や介護福祉士の資格があれば優遇されることは間違いありません。
ただし、資格は持っているが経験がないとなると、資格取得からの期間にもよりますが思った通りの優遇が受けれられないケースもございます。
ブランクについては、さほど気にしなくても問題ありません。
デイサービスで優遇される経験
デイサービスで働く介護スタッフにとって、業務の中でレクリエーションの企画などは大きな割合を占めます。
介護スタッフが持ち回りで企画を行うデイサービスもありますので、企画をするのが好き・得意な方にはやりがいのある職場になりますね。
また、リハビリ特化型や認知症特化型には、それぞれリハビリを含めたケアや認知症ケアの知識や経験があれば優遇されることでしょう。
どのような経験にしても、限られた時間の中で効率よく作業を行う必要があります。
デイサービスで働くメリット・やりがい

無資格&未経験からでも仕事を始めやすい
デイサービスには、介護資格を持っていなくても対応できる仕事内容が、入所型介護施設に比べて多い傾向にあります。
そのため、無資格、未経験OKの求人も比例して多くなります。
介護現場でコツコツ経験を積み、少しずつ仕事に慣れていきたい方や、いきなり高度な介護スキルが必要となる現場は避けたいと考えている場合は、デイサービスでの勤務を検討してみましょう。
土日休みも多く予定が立てやすい
デイサービスは、日中は仕事であったり、その他事情があって生活支援できないご家族に代わって、サービスを行うのが目的でもあります。
平日は支援できないが土日(休日)はサポートができるという家庭事情が多いため、土日祝などが休みになっている事業所が多い傾向です。そのため、プライベートな予定と両立がしやすくなります。
また、介護業界でよくある、自分が休みをとったら他のスタッフにしわ寄せがいく…なんてことは起こりづらい事業所ともいえます。
休日の詳細は、各事業所の募集要項を検索してみてください。
夜勤がないため、生活リズムが安定する
基本的にはデイサービスに夜勤シフトは発生しません(一部デイサービスを除く)。
営業時間が決まっており日中の時間帯のみの勤務となるため、生活リズムが悪くなる心配もありません。また、残業も比較的少ない点が魅力です。
体力的な負担が少ない
デイサービスの利用者さんには、寝たきりの方や、介護度が高い方などは、少ない傾向にあります。
ご自身で身の回りのことができる自立度の高い利用者さんもいますので、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどに比べると、身体的負担も軽いでしょう。
介護経験はあるけどブランクがあったり、腰痛持ちの方、ケガや体力的な心配がある方は、デイサービスへの就職を選択肢に入れても良いですね。
デイサービスで働くデメリット・大変さ

他の事業所と比べて給料が低い
デイサービスは、ほかの介護事業所と比べても給料は劣ります。
夜勤がないため、夜勤手当が支給されないなど、そもそもの手当がないことも給料が低い理由の一つです。
給料以上に働き方の部分にメリットがありますので、給料の高さを一番に考えている方には向かない職場かもしれません。
本記事の後半にて、他事業所と比べた時の具体的な給料額は本記事の後半にて解説いたします。
介護技術の向上にはつながりにくい
仕事時間の中に、送迎業務やレクリエーションといった時間が多いため、身体介護をする時間は、ほかの介護施設に比べて少ない傾向があります。
また、デイサービスの利用者層は要介護度の低めの方が多いため、提供する介護サービスにも偏りが出ることもあります。
介護のスキルアップや介護の専門的技術の幅を広げたいと考えている場合は、不向きな職場となってしまうでしょう。
送迎業務がある
デイサービスでは、日常的に送迎業務があります。
専任のドライバーがいない施設では、送迎時のドライバー業務を兼任する場合もありますので、その場合、自動車運転免許の所持が必須資格になります。
朝早くの送迎業務やご家族との対応、送迎者の乗り降り、送迎ルート決めなど、好き嫌いが分かれる業務内容となっております。
レクリエーションの企画や実施が必要
デイサービスではレクリエーションのイベントが充実しています。
例えば、クイズや工作、書道等を行いますが、利用者さんに楽しみや笑顔を提供することも重要な仕事の1つとなってきますので、レクリエーションの内容についても日々の変化が求められます。
企画考案に自信がなく憂鬱に感じてしまったり、身体介護に専念したいという気持ちがあったりするのであれば、どちらかといえば不向きかもしれませんね。
ただ、周りの同僚や先輩にコツを聞いたり、利用者さんの反応を基に改善を行うため、苦手だからといって一人で抱え込む必要はありません。
デイサービスで働く介護職員の給料や福利厚生

正社員(常勤)の場合
施設形態 | 平均給与額(月給) | 平均給与額(年収) |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 361,890円 | 4,342,680円 |
介護老人保健施設 | 350,380円 | 4,204,560円 |
介護付有料老人ホーム(特定施設) | 339,510円 | 4,074,120円 |
訪問介護事業所 | 314,440円 | 3,773,280円 |
グループホーム | 303,800円 | 3,645,600円 |
通所介護事業所 | 294,980円 | 3,53,9760円 |
通所リハビリテーション事業所 | 315,020円 | 3,780,240円 |
小規模多機能型居宅介護 | 303,760円 | 3,681,120円 |
介護療養型医療施設 | 329,850円 | 3,958,200円 |
介護医療院 | 323,950円 | 3,887,400円 |
参考:厚生労働省:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
上記の通り、通所介護事業所(デイサービス)を見ると、ほか事業所よりも平均給与額が低くなっていることが分かります。
会社ごとの制度によって多少の違いは出てきますが、給料を上げるという点だけに着目すると、働く職場も重要になっているのが分かります。
パート・アルバイト、派遣社員(非常勤)の場合
施設形態 | 平均給与額(時給) | 実労働時間数 | 平均給与額(月給) |
---|---|---|---|
特別養護老人ホーム | 1,360円 | 108.4時間 | 147,470円 |
介護老人保健施設 | 1,399円 | 109.5時間 | 153,230円 |
介護付有料老人ホーム(特定施設) | 1,391円 | 106.4時間 | 148,070円 |
訪問介護事業所 | 1,621円 | 71.1時間 | 115,290円 |
グループホーム | 1,403円 | 102.7時間 | 144,140円 |
通所介護事業所 | 1,253円 | 94.7時間 | 118,700円 |
通所リハビリテーション事業所 | 1,288円 | 105.4時間 | 135,860円 |
小規模多機能型居宅介護 | 1,277円 | 95.6時間 | 122,120円 |
介護療養型医療施設 | 1,316円 | 116.1時間 | 152,880円 |
介護医療院 | 1,273円 | 107.4時間 | 136,730円 |
参考:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
パート・アルバイト、派遣社員の場合も同様に、デイサービスの平均時給は他事業所に比べても低くなっているのが分かります。
子どもが学校に通っている間に仕事をするという働き方もできるので、主婦にも人気の職場です。
デイサービスに向いている介護士の特徴

デイサービスに向いている介護士の特徴としては、以下が挙げられます。
- 日中のみで仕事をしたい(夜勤をしたくない)
- できる限り土日休みで働きたい
- 送迎業務などがあっても苦じゃない
- これから介護業界で勤務したいと考えている
デイサービスの介護士は、介護施設で働く介護士とは、1日の流れや仕事内容が少し異なります。
利用者さんとの会話の中で、毎日の変化を感じ取りながら生活のサポートをすることができますし、スタッフ一丸となって事業所を盛り上げやすい環境でもあります。
周りと積極的に協力し、信頼関係を築きながら楽しく介護をしたいと考えている方におすすめです。人の役に立つ実感も得られます。
デイサービスの各職種の仕事内容

施設長・管理者
- 事業計画の立案、実行
- ご家族対応
- 職員の採用活動
- 事業所の広報活動
管理者の役割は、デイサービスの運営が大半を占めます。
小規模デイサービスなどですと、管理者と介護業務を兼務するケースもあります。
看護師・看護職員
- 体温・血圧・脈拍などの健康状態チェック
- 医師の指示に基づいた医療行為
- 入浴後のケア
- 服薬管理
看護師や准看護師の資格をお持ちの方を指します。
主な役割は、利用者さんが安全・安心に過ごすための日々の体調管理を行うことです。高度な医療技術を任される機会は少ないですが、急変対応については万が一に備えて対応できるよう準備をしておきましょう。
また、夜間業務もないため、オンコール対応も必要ないケースがほとんどです。
機能訓練指導員
- 利用者さんへのリハビリ、トレーニング
- 器具の使用サポート、指導
- トレーニング計画書の作成
サービスの中に、リハビリやトレーニングを取り入れているデイサービスには、必要な人材です。
理学療法士や作業療法士の資格が必要となり、利用者さんの状態に合わせて、トレーニングの計画を作成したり、器具の使い方やトレーニング方法を指導したりします。
生活相談員
- ケアマネージャーとの連携
- 利用者さんの入会、退会手続き
- 外部機関との調整業務
- ご家族対応、サポート
取引業者さんや、外部機関との窓口になる役割が多いです。
社会福祉士などの資格が必須となります。介護業務に直接携わるというよりは、運営には欠かせない業務を実施することが多く、縁の下の力持ち的な存在です。
あなたにぴったりのデイサービスを選ぼう
ひとくちにデイサービスといっても、リハビリ特化型や認知症特化型など、さまざまな種類のデイサービスがあります。
日曜は休みになっているデイサービスも多いことから、ほかの施設で働く介護職と比べたらプライベートの予定は組みやすいかもしれませんね。
事前の情報収集は大変ですが、この記事が少しでもあなたの不安解消につながれば幸いです。
ぜひ希望にぴったりのデイサービスを見つけてください。
スタッフ満足の紹介

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