「訪問看護師=きつい」というイメージってないですか?
でも訪問看護師の給料は高いから、転職時づらいなんてことも多かったり…
訪問看護の仕事内容を好んで勤務する方は多くいらっしゃいますので、訪問看護の仕事をするメリットも当然ながらたくさんあります。
訪問看護の場合は、働く職場によって働き方がかなり左右されてきますので、訪問看護ステーションの選び方、しんどい理由もわかりやすく言葉にして解説していきます。
訪問看護がきつい理由を看護師に聞いた!
訪問看護がきつい理由は、以下の意見が多くみられました。
- 1人で対応する必要がでてくる場面が多くなる
- オンコール対応が大変
- 家族とのコミュニケーションがしんどい
- 体力面が追いつかない
- 訪問看護ステーションによっては人手不足の状況
- 在宅看護の場合は設備が整っていないこともある
- 看護業務+介護業務の対応も必要
1人で対応する必要がでてくる場面が多くなる
訪問看護師として活躍していく以上、患者さんの要望や対応に、自身の判断と責任で対応をしていかなけらばいけない場面がでてきます。
病院勤務などでは、常に誰かに聞ける環境がありますが、訪問看護の場合は例外も多いです。
もちろん電話などで常に連携をとることはできますが、自身のスキルアップは必須です。
オンコール対応が大変
訪問看護の場合は、オンコールの対応が大変という声をよく聞きます。
特に人手が足りないときや、緊急連絡を待っているときは肉体的・精神的にしんどい思いをすることもあります。
ただ、オンコール対応がある場合には、1回いくらという手当がつく職場がほとんどですので、収入面からオンコール対応する方もいます。
オンコール対応は人によって好き嫌いが分かれますので、お仕事探しの際は必ず確認しておくと良いでしょう。
家族とのコミュニケーションがしんどい
個人宅への訪問看護が仕事内容になっている場合は、ご家族と同じ空間で看護サービスを提供することになりますので、ご家族への配慮も必要です。
病院や介護施設とは違った雰囲気の中で仕事をしますので、ご家族の目や会話が気になるという方も少なからずいらっしゃいます。
逆に、コミュニケーションをとることが好きな人にとっては、お仕事がしやすい環境といえるでしょう。
体力面が追いつかない
訪問看護の特徴と言えば「移動時間」でしょう。
特定の施設への訪問看護であれば、さほど気にはなりませんが、個人宅への看護がメインの訪問看護ステーションであれば移動はつきものです。
また、訪問看護の場合は、自転車での移動が多くなりますので、夏は暑く、冬は寒いという環境です。
「気分転換になる」という方もいれば、「しんどい」と感じる方もおり、あなた自身に合うかどうかはとても大事ですね。
訪問看護ステーションによっては人手不足の状況
働き方改革やIT化など、訪問看護ステーションによっては、業務効率化に力を入れている事業所もありますが、マンパワーで解決しようとする訪問看護ステーションも少なくありません。
「訪問看護ステーション=大変」というイメージが先行してしまい、人材不足につながっていることが考えられます。
在宅看護の場合は設備が整っていないこともある
病院・介護施設は、建物の設備が全て介護をするためにつくられておりますので、当然ながら介護や看護がしやすい環境です。
しかし、訪問看護の利用者の自宅は必ずしもそうではありません。
浴槽や手すり、処置のスペースなど、さまざまな場面で不自由を感じる可能性があります。
そのような環境下での看護業務がつらいという声は一定数あります。
看護業務+介護業務の対応も必要
訪問看護の場合は、訪問時におむつ交換や、食事介助などの介護業務が発生することもあります。
看護業務だけをしたいという方は、施設看護師を目指すのが良いでしょう。
訪問看護ステーション勤務の看護師の年収・給料
きついと言われる訪問看護の仕事ですが、給与水準の高さは訪問看護の魅力の1つです。
下記の表は、令和2年度の各事業所の給与水準をまとめたものです。
比較してみると、訪問看護ステーションはほかの事業所に比べて平均年収や給料が高い傾向が見られます。
常勤看護師の場合
正看護師 月給 | 正看護師 年収 | 准看護師 月給 | 准看護師 年収 | |
---|---|---|---|---|
特別養護老人ホーム | 422,652円 | 5,071,824円 | 382,542円 | 4,590,504円 |
介護老人保健施設 | 448,962円 | 5,387,544円 | 382,799円 | 4,593,588円 |
有料老人ホーム (特定施設入居者生活介護) | 427,972円 | 5,135,664円 | 375,933円 | 4,511,196円 |
グループホーム | 397,611円 | 4,771,332円 | 319,635円 | 3,835,620円 |
デイサービス | 354,319円 | 4,251,828円 | 326,620円 | 3,919,440円 |
訪問看護 | 440,368円 | 5,284,416円 | 352,006円 | 4,224,072円 |
看護小規模多機能型居宅介護 | 414,406円 | 4,972,872円 | 354,842円 | 4,258,104円 |
※常勤換算1人当たりの給与費
参考:令和2年度介護事業経営実態調査結果
非常勤看護師の場合
正看護師 月給 | 正看護師 時給 | 准看護師 月給 | 准看護師 時給 | |
---|---|---|---|---|
特別養護老人ホーム | 375,894円 | 2,237円 | 349,664円 | 2,081円 |
介護老人保健施設 | 362,987円 | 2,160円 | 334,143円 | 1,988円 |
有料老人ホーム (特定施設入居者生活介護) | 375,101円 | 2,232円 | 342,629円 | 2,039円 |
グループホーム | 339,533円 | 2,021円 | 299,425円 | 1,782円 |
デイサービス | 327,058円 | 1,946円 | 291,242円 | 1,733円 |
訪問看護 | 369,186円 | 2,197円 | 319,074円 | 1,899円 |
看護小規模多機能型居宅介護 | 347,775円 | 2,070円 | 292,644円 | 1,741円 |
※常勤換算1人当たりの給与費
参考:令和2年度介護事業経営実態調査結果
オンコール手当の相場は1,000円~3,000円
訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業によると、オンコール手当の相場は、以下のようになっておりました。
- 「1,000~2,000 円未満」の事業所が 34.2%
- 「2,000~3,000 円未満」の事業所が 31.0%
- 「3,000~4,000 円未満」の事業所が 10.1%
おおよそ、1,000~3,000円の手当が支給されるのが一般的とみて良いですね。
ちなみに、オンコールを担当する回数は月に4回程度が多いです。
緊急対応時の手当や休みはどうなる?
オンコールで緊急時対応として職場に駆けつけた場合、手当を支給する職場は96.2%です。
手当の金額については、「時給」で支払っている事業所が 61.3%、「定額手当」としている所が 27.6%、「その他」が 9.3%でした。
定額手当で支払う場合
- 「5,000円以上」の事業所が 28.7%
- 「4,000~5,000 円未満」の事業所が 13.9%
- 「3,000~4,000 円未満」の事業所が 16.8%
また、夜間・休日に緊急訪問した場合の代休について、保障「あり」が 31.3%、保障「なし」が 57.0%であり、6割近くは代休の保障がないのが実情です。
参考:訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業
介護施設の看護師の年収・給料について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
訪問看護ステーションによって働き方が異なる
在宅訪問看護の場合
在宅訪問看護の場合は、利用者さんが住んでいるご自宅1件1件に訪問していくことになります。
基本的には、自転車移動ができる範囲が中心になりますが、1件終わって移動、また移動と業務の合間に必ず移動が伴います。
慣れない環境下での看護・介護業務、ご家族への配慮・コミュニケーション、対応力や時間管理といった、看護スキル以外の部分も求められることが多い仕事になります。
移動中は、お給料が発生しない勤務体系になっている訪問看護ステーションもありますので、条件面については要チェックです。
施設内のご入居者への訪問看護
決まった介護施設に訪問看護を提供する場合は、在宅の訪問看護に比べて「移動」が発生する場面は少ないです。
地域に複数の介護施設を運営しているのに対し、訪問看護ステーションが1ヶ所の場合には、各施設への移動が発生する可能性もありますので一概には言えませんが、頻度は少ないでしょう。
また、施設内の看護になりますので、ご家族とのコミュニケーションが発生することはほとんどなく、看護+介護業務に集中しやすい環境です。
訪問看護ステーションの選び方
どのような基準で訪問看護ステーションを選んでいったらよいか迷っている、という方のために、求人で確認しておくべきポイントをまとめました。
- 自宅への訪問看護か施設入居者への訪問看護か
- 移動中の給与体系はどうなっているのか
- オンコール対応があるかないか(雇用形態によって有無は変わるか)
最低限、上記の3つは面接前に抑えておくようにしましょう!
この3つを押さえておけば、働き方の大まかな部分は抑えることができるので、イメージする働き方から乖離することも少なくなります。
訪問看護の仕事に向いている人とは?
訪問看護という仕事柄、看護業務以外のことに対しても取り組まなければいけません。
- ご家族を含めたいろんな方とコミュニケーションをとることが好き
- 自分のペースと責任で仕事がしたい
- 介護業務も苦ではない
この3つのいずれかに当てはまるのであれば、訪問看護ステーションでもうまく勤務していけるでしょう。
訪問看護の経験はスキルアップに最適!
訪問看護の仕事は、看護師としての総合力を上げていきたいと考えている方にはピッタリの職場です。
逆に、施設介護でのんびり仕事がしたいと考えている方にとっては、合わない職場になってしまう可能性が高いと言えます。
給与水準も高く働くことができますので、訪問看護での働き方に興味がある方は、ぜひスタッフ満足にご相談ください!
スタッフ満足の紹介
私たち スタッフ満足 は、大阪、京都、兵庫、奈良で老人ホームを約50施設運営している株式会社スーパー・コートのグループ会社として、介護、看護に特化した人材派遣と人材紹介を行っております。
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