ケアマネージャーは、要介護者やその家族に頼りにされる存在で、さまざまな介護施設で重要な役割を果たしています。
ここでは、介護支援専門員(ケアマネージャー)が実際にどんな仕事をしているかを解説します。
資格の取得方法や、平均年収などにも触れていますので、キャリアアップの参考にしていただける内容を詰め込みました!
ケアマネージャーになるためには?
介護支援専門員の資格取得をめざす
ケアマネージャーになるためには「介護支援専門員」という資格を取得する必要があります。
介護支援専門員の資格を取得するためには、下記の要件を満たさなければいけません。
受験資格:下記の業務に通算5年以上かつ900日以上従事すること
①以下の国家資格に基づく業務
医師/歯科医師/薬剤師/保健師/助産師/看護師/准看護師/理学療法士/作業療法士/社会福祉士/介護福祉士/視能訓練士/義肢装具士/歯科衛生士/言語聴覚士/あん摩マッサージ指圧師/はり師/きゅう師/柔道整復師/栄養士/管理栄養士/精神保健福祉士
②以下の職種で該当する施設等でおこなう相談援助業務
生活相談員/支援相談員/相談支援専門員/主任相談支援員
介護士からのキャリアアップとしてケアマネージャーを目指す方が多く、介護現場を知っているというアドバンデージがありますので、介護士あがりのケアマネさんは重宝されます。
介護支援専門員の取得は難しい?
令和2年の10月に行われた試験の合格率は17.7%でした。
しっかり準備をして臨まないと簡単には取得できない資格ということが分かります。
一方で、職種別の合格率をみると、介護福祉士からの合格率が55.9%となっており、次いで看護師、准看護師が16.9%という結果でした。
介護職からケアマネージャーを目指す方にとっては、馴染みのある事柄も多く、試験に合格しやすい傾向が見られます。
参考:第23回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
ケアマネージャーの主な5つの業務
ケアマネージャーは2004年4月に介護保険制度が施行されたことに伴って設置された専門職です。
正式名称は「介護支援専門員」といい、現場では「ケアマネージャー」や「ケアマネ」と呼ばれています。
居宅介護支援事業所、老人ホーム、地域包括支援センターなどに所属して仕事をします。
要介護認定のための調査を行う
要介護認定をするにあたり、介護サービスを希望する人と、その家族で面談を行います。
当人や家族の話をよく聞いて、現状を把握し、どのような介護が必要なのかを見極めます。
その後、ケアマネージャーの調査やヒアリングに基づき、実際の要介護度の認定が行われます。
この要介護度によって受けられるサービスが異なるので、的確な判断が求められる業務です。
また、介護保険サービス以外の支援が必要だと判断された場合は、状況に応じた援助を行います。
例えば、自力で食事を用意できない場合は、配食サービスの紹介や、経済的に厳しい人の場合は、生活保護申請を補助することもあります。
このように、助けを必要としている人がどのようなサービスを受けることが最善なのか見極めるため、法律や地域事情に精通していることが求められます。
ケアプラン(居宅サービス計画書)の作成する
ひとりひとりの状況に合わせて、介護の内容を決めるケアプランの作成業務があります。
このケアプランなくして、高齢者は介護サービスを受けられません。
要介護者が抱える課題はさまざまですので、自立した生活ができるように、ライフスタイルや身体能力に応じたケアプランを立てる能力が必要です。
介護給付費の管理をする
介護保険サービスを利用することで発生する「介護給付費」の管理も、ケアマネージャーの仕事です。
事業所が介護給付を受けるために、国民健康保険団体連合会に必要書類を提出して、請求する必要があります。
万が一提出期限が遅れると、給付費の支払いが翌月となり、事業所に迷惑がかかります。
期日までにきちんと計算して書類を整えることが求められます。
要介護者のサポート・周りとの連携・連絡調整を行う
要介護者が適切なサービスを受け続けるために、区市町村や介護サービス事業者、高齢者やその家族が、良いコミュニケーションをとって連携することが必要です。
介護保険サービスにはさまざまな種類があり、状況や希望に応じて、訪問介護か通所介護(デイサービス)を選ぶ必要があります。
それぞれの事業所ごとにカラーがあり、要介護者の個性と合うかどうかも確認したいところです。
高齢者自身が、自分に合う事業所を探すのは困難ですから、事情を汲み取って代わりに探してくれるケアマネージャーは、貴重な存在であると言えるでしょう。
ケアマネージャーは時折、事業者や自治体に対するクレームを受けることがあります。
やはり要介護者の立場から直接クレームを言うのは難しい雰囲気があるので、間に入るケアマネージャーが要望を汲み取ることになります。
逆に事業者側の意見を要介護者に分かりやすく伝えることも、大切な仕事です。
定期的な介護サービスのモニタリングと再評価
ケアプランが作成され、介護サービスがスタートしたあとも、内容が適切であるかどうか見守っていく必要があります。
要介護者が課題をクリアして健康になっていくことが目標です。
順調に目標達成に向けて前進できている場合は、ケアプランの修正が必要になります。
定期的に介護サービスをモニタリングし、再評価することも、ケアマネージャーの果たすべき大事な役割です。
ケアマネージャーの仕事の流れ
働く職場によって動き方は多少異なりますが、一般的な1日の流れは以下の通りです。
09:00 | ご入居者の状況確認 |
10:00 | ケアプランの作成 |
~ | |
12:00 | 休憩 |
13:00 | 電話対応・相談 |
14:00 | ご入居者のご家族や行政への連絡業務 |
15:00 | 来客対応 |
16:00 | 会議 |
~ | |
18:00 | 退勤 |
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ケアマネージャーの平均年収・給料
ケアマネージャーの平均年収、給料は以下の通りとなっております。
関西圏のケアマネージャーの平均年収は、全国平均と比べると比較高めになっている傾向が見てとれました。
男性ケアマネージャー
勤務エリア | 月給 | 年間賞与など | 年収 |
全国 | 293,900円 | 713,700円 | 4,240,500円 |
大阪府 | 302,700円 | 804,900円 | 4,437,300円 |
京都府 | 292,900円 | 762,000円 | 4,276,800円 |
兵庫県 | 297,400円 | 780,500円 | 4,349,300円 |
奈良県 | 333,900円 | 628,900円 | 4,635,700円 |
滋賀県 | 282,300円 | 605,500円 | 3,993,100円 |
女性ケアマネージャー
勤務エリア | 月給 | 年間賞与など | 年収 |
全国 | 268,000円 | 595,100円 | 3,811,100円 |
大阪府 | 279,700円 | 485,600円 | 3,842,000円 |
京都府 | 302,400円 | 561,200円 | 4,190,000円 |
兵庫県 | 259,000円 | 649,100円 | 3,757,100円 |
奈良県 | 263,400円 | 474,700円 | 3,635,500円 |
滋賀県 | 286,400円 | 473,900円 | 3,910,700円 |
主任ケアマネージャーの仕事内容
2006年に介護保険制度が改正された時に、「主任ケアマネージャー」という資格が誕生しました。
これはケアマネージャーとしての資格を持っている人たちが、通算5年の経験を積み、所定の研修を受けることで取得できます。
都道府県ごとに認定されるので若干の地域差がありますが、ケアマネージャーの中でもベテランが就く立場となります。
主任ケアマネージャーは、新人指導や教育など他のケアマネージャーのまとめ役です。
また、地域ぐるみの課題を洗い出して、介護サービスの質の向上を目指し、事業所全体の管理などを幅広く行います。
地域包括支援センターには、主任ケアマネージャーかそれに準ずる人を配置しておく義務があるため、センター運営にも欠かせない存在と言えます。
ケアマネージャーはこれからの日本に欠かせない存在
要介護認定からケアプランの作成、モニタリングや調整役など、介護に関わるさまざまな仕事をこなすケアマネージャーは、これからの日本社会にとって欠かせない存在です。
介護サービスを向上させ、要介護者とその家族に感謝される、やりがいのある仕事ですから、多くの人に目指してほしいものです。
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